格安スマホが持つメリットとデメリット
これまでの月額数千円〜数万円までと、よく電話やネットを使用する人ほど高額な費用が請求されやすい携帯電話サービスに取って代わる形であり、新たなサービスとして年代を問わず多くの利用者に注目されているのが、格安スマホと格安SIMの存在です。
格安というワードからもおわかりのように、これまでの携帯電話サービスと比べ、ムダを極力省いたサービスを徹底していることも有り、毎月必要な費用が最小限に抑えられつつも、これまでと同様に携帯電話や通信サービスが利用できるお手頃な存在として人気を集めています。
ですが、携帯電話だけに留まらず、従来のサービスよりも料金が安くなると言う事は、その分だけどこかの要素が省かれていたりサービス内容が劣化している可能性も否めません。格安スマホや格安SIMも例外では無く、こうした省かれたサービスなどをしっかりと事前に理解した上で、ご自身の使用環境に本当にマッチしているかどうかを確認することが求められます。
では、実査に格安スマホや格安SIMといったサービスには、従来のサービスと比べてどのような部分で違いがあるのでしょうか?その注意点と共に、角柱移転後との対策方法についても具体的にご紹介しましょう。
キャリアメールアドレスが利用できなくなる
格安スマホや格安SIMといった各サービスを実際に利用する場合には、携帯電話キャリアが実際に提供しているサービスと比較した上で、どのような点に違いがあるのかを事前に把握しておく必要があります。
特に、格安SIMを提供しているMVNOと呼ばれる通信事業者のサービスを利用するのであれば、これまでキャリアが提供しているサービスが原則として提供されていない点に注意しなくてはいけません。中でも、初めてMVNOによるサービスを利用した方が気づく違いの1つに当たるのが、キャリアメールアドレスの存在です。
キャリアメールアドレスとは、NTTdocomoをはじめ、auやソフトバンクなどの携帯キャリアが各社毎に専用のドメインを設定して提供しているメールアドレスのことで、@以後の文章を見ることで、どの携帯キャリアを利用したメールアドレスなのかが一目瞭然です。
また、キャリアメールアドレスに限定した会員登録を認めているネットサービスも依然として多いので、キャリアメールアドレスが使用できないMVNOユーザーにとっては、最も注意すべきポイントの1つといっても良いでしょう。キャリアメールアドレスが利用できない事に対する対策としては、googleが提供するgmailなどフリーメールサービスを利用するといった対策が有効です。
最近では、キャリアメールアドレスの登録だけでなくgmailの登録でも会員登録を受け付けてくれるサービスが増加しつつあるので、以前と比べると、キャリアメールアドレスが利用できないことでのデメリットは少なくなっているのが実状です。また、当然ながら、携帯キャリアからMVNOへMNPなどのサービスを使って移行した場合、それまで使用していたキャリアメールアドレスは使用できなくなってしまう点にも注意しましょう。
アフターケア・サービスの充実度が低下
次に注意しておくべき注意点となるのが、アフターサービスについて。例えば、携帯キャリアと直接契約した上で、スマートフォンや携帯電話を購入して使用している方であれば、使用している機種に何らかのトラブルが発生した段階で、自宅や職場から最寄りの格携帯キャリア専門店に持ち込むことで、トラブル対策や修理の申し込みなどを行う事ができます。
一方、MVNOに代表される格安SIMや格安スマホを利用している場合、原則として携帯キャリア専門店では修理などの受付は拒否されてしまうので、保証期間内であれば格安スマホを購入したショップに持ち込んで修理を依頼するか、保証が切れている場合には別の機種を再度購入しなおすといった対策が求められます。
或いは、格安SIMの使い方や製品自体に問題が発生した際には、格安SIMを契約した通信会社に連絡した上で対策を促す必要がありますが、ほぼ全ての事業者で、電話やネットを使ったアフターケアに限定している点にも注意が必要です。
極一部のMVNOでは、全国に支店を設けて利用者に対するアフターサービスを提供している所もありますが、依然としてこういったサービスは数少ないため、購入時だけでなく購入後のトラブルを心配されている方は特に注意しましょう。
通信速度やサービス内容の違い
破格の維持費が魅力的な格安SIMを実際に私用する上で、必ず事前に理解しておく必要があるのが、実際の通信速度やサービス内容のついてです。特に、メールの送受信速度やインターネットの接続速度に大きく起因する要素である通信速度については、事前に携帯キャリアとの契約で得られる速度とは大幅に違う可能性があるという点を理解しておかないと、契約後のあまりの速度の違いに大きく後悔してしまう恐れもあります。
格安SIMが携帯キャリアの料金と比べて破格の安さを提供できる理由の1つに、携帯キャリアから借り受けている通信網を細分化して顧客へ提供しているという点が挙げられます。1本の通信網で数人から数十人の顧客を賄っているMVNOもあり、通信網1本当たりの利用者数が増加するほど、通信速度は大きく低下してしまいます。
このため、利用者が多いMVNOほど通信速度が低回しがちで、また単位時間当たりの利用者が急増する時間帯ほど通信速度は大幅に低下します。時間帯によっては、メールの送受信にも時間が掛かってしまう速度にまで低下する恐れもあるので、特にインターネットや大量のデータ通信を必要とするようなアプリを頻繁に利用する方は、格安SIMを選ぶ前に、実際の利用に耐えうるだけの通信速度が得られるかどうか必ず確認するようにしましょう。
場合によっては、携帯キャリアの通信網との速度の比較を綿密に行った上で、どちらを選ぶか比較検討するという方法も有効です。また、通信速度だけでなく、携帯キャリアが提供しているプランとはまったく違った内容でサービスが提供されているという点にも注意が必要です。
昨今、携帯キャリアの多くが提供している基本的なプランとして人気なのが、通話定額プランです。これは、1回毎の通話を全て、或いは1回当たり数分程度の通話に限って定額料金で使い放題となるサービスのことで、特に仕事やプライベートで通話を頻繁に利用する方ほど恩恵が得られるサービスとしても人気を集めています。
一方、格安SIMを提供するMVNOでは、未だ通話定額サービスを本格的に導入している所は極わずかで有り、提供されている通話定額サービスも、1通話5分或いは10分までと、時間制限付きの物に限られています。
スマホや携帯電話の利用の大半がネットやメールなどデータ通信であれば、通信定額を採用しているMVNOの格安SIMでも十分に対応できますが、通話が多くのウェイトを占める利用者の方にとっては、逆に通話料の分だけ格安SIMのほうが高い料金が掛かってしまう恐れもあるので、この点もしっかりと比較した上でどちらがおとくか検討が必要です。
通話面での具体的な対策方法としては、050番号に代表されるIP電話サービスを利用するか、通話アプリが提供する無料通話サービスを利用するといった方法が有効です。IP電話サービスは、使用しているMVNOを問わずアプリで直接契約して050番号の発行を受ける事ができるので、機種や契約先を問わず利用できます。
また、無料通話アプリも、通話に必要な通信量を送受信できるだけの通信速度が得られる格安SIMであれば原則全て利用できるので、こうしたサービスを併用して通話料を割安に或いは無料にするといった方法が活用できます。