低速度ほど安い料金で利用できる
格安SIMや、格安SIMを同じく割安な価格で入手出来る格安スマホに挿入して利用するというユーザーが急増しています。こうした格安携帯電話サービスを利用されている方のうち、実際の通信速度の速さよりもどれだけ割安な料金で携帯電話やスマートフォンを日常生活で利用しつつ維持できるかを追求しているユーザーの数は決して少なくないのが実状です。
こうしたユーザーからのニーズを受け、格安SIMや格安スマホを併売しているMVNO各社では、より速い通信速度を求めるユーザーを対象としたサービスとは別に、実際の通信速度は非常に低速である一方で、高速回線のプランよりも割安な料金で利用できるサービスやプランを提供しています。
携帯キャリアが提供している通信速度に準拠した262.5Mbpsや150Mbpsなど、メールやインターネットだけでなく、ゲームアプリなど大容量のデータ送受信にも対応した高速プランは、その速度の速さが魅力的ながらも、その分だけ基本料金が高額となってしまうため、割安さを求めて格安SIMを利用されているユーザーにとっては本末転倒とも呼べるケースも。
一方、500kbpsのような低速な通信速度で常時制限されているプランでは、通信毒が遅い分だけ基本料金も更に割安に抑えられており、月額500円程度の低料金で格安SIMが使い放題のプランも提供されています。このように、とにかく格安SIMや格安スマホを割安な料金でキープしたい!という方にとって、通信速度を敢えて抑えることで、希望通りの安い維持費が実現できるというメリットが得られます。
上限めいっぱいまで利用できているユーザーは極わずかという現実
格安SIMとして提供されている通信サービスだけに限らず、大手キャリアから販売されている各データ通信プランの詳細を見ると必ず明記されているのが、利用上限について。特に、スマートフォンを使ってSNSや無料通話アプリなどを多用する方にとっては、1ヶ月単位で設けられているデータ通信量の利用上限は、とにかく気になって仕方が無い存在といっても決して過言ではありません。
大半のデータ通信プランでは、1ヶ月辺り7GBを基本に利用上限が設けられており、これよりも割安なプランでは1ヶ月1GBや3GBなどより低用量に、高額なプランでも10GBなどやや容量が加算されていながらも、利用上限という形で制限が設けられています。
毎日数百MB以上のデータをやり取りされているヘビーユーザーにとっては、1ヶ月10GBでも足りないというのが実状で、利用制限を超えてしまい低速制限状態で利用し続けているユーザーや、別の格安SIMを複数契約して使い分けているという方も少なくありません。
ただし、実際のところ、大容量のデータ通信を必要とする一部のゲームアプリを除き、無料通話アプリや電子メールの送受信程度ではそれほど速い通信速度や多くの通信容量は必要ではなく、大半のユーザーにとっては、高速大容量のプランは使い切ることができず無駄になってしまっているケースが多く見られます。
一方、低速な通信速度のプランでは、500kbps程度の低速でしか通信が行えない一方、1ヶ月単位でのデータ通信の容量自体に制限が設けられておらず1日当たり100MBや500MBの一日単位での制限を設けているものが大半です。500kbps程度の速度では、100MBや500MBを一日で使い切る事自体が難しいので、実質、速度制限は一切課されずに安定して契約時の速度で使い続けることができます。
日頃から、メールを送受信したりLINEなどの無料通話アプリを中心に利用されている方には、高速大容量のプランを契約して高額な費用を支払うよりも、低速ながらも割安な料金で利用できるプランのほうが、速度制限の有無からもベストチョイスと言えるでしょう。
MVNOとプランの乗り換えが容易に行える
格安SIMというサービスを敢えて利用する1番の魅力といえるのが、MVNO間の乗り換えが容易に行えるという点です。例えば、大手携帯電話会社と直接契約した場合、基本料金の割引プランや購入したスマートフォン本体の機種代を割り引くサービスを契約すると、最大2年間や3年間など一定期間にわたって継続契約を義務づける内容が契約自体に盛り込まれており、2年縛りという名称で既に一般化しています。
この契約を交わしてしまうと、中途解約をした段階で違約行為と見なされ、所定の違約金の支払いが求められるなど様々なペナルティが課されてしまい、結果的に、この2年縛り等の契約期間の強制により、他の携帯電話会社やMVNOに乗り換えた意にもかかわらずそれができずに契約期間が満了するのをまっているというユーザーも少なくありません。
一方、MVNOが販売提供する格安SIMでは、090番号が付与される通話機能付きの格安SIMサービスを除き、原則として最低利用期間の設定が行われていません。このため、例えばとあるMVNOが提供する格安SIMを契約して利用してみたところ、速度面や通信の安定性などの面で満足できず、他の格安SIMに乗り換えたくなったという時でも、契約期間の満了をまたずに直ちに他社に乗り換えることができます。
また、一度に様々なMVNOの格安SIMを契約してみて、実際にそれらを比較利用してみた上でベストなSIMを選ぶといった使い方もできるので、違約金などの心配をせずに利用環境にあったベストなSIMを比較選択できるという点も、格安SIMならではの魅力の1つといえるでしょう。
更に、大手携帯電話会社が提供するサービス以上に格安SIMに備わる魅力的なポイントに当たるのが、プラン変更の自由度の高さです。例えば、契約時に選択した通信通話プランでは、データ通信の上限などにやや不満を感じてしまったという場合、格安SIMではスマホでそのまま利用できる専用アプリなどを使って、ワンタッチで契約プランの変更ができます。
適用自体は翌月からという所が大半ですが、いちいち店舗に出向いて契約変更を申し出たり、インターネットのサイトにログインして変更申請を行うといった煩わしい操作が一切必要なく、スマホに余り慣れていないという方でも、自分の利用環境にあったプランをいつでも好きなタイミングで選ぶ事ができます。
自分に合ったベストなプランが簡単に見つかる
格安SIMが持つ隠れた魅力の1つといえるのが、シンプルなプラン構成です。大手携帯電話各社では、各プラン毎に様々な魅力や特徴を盛り込み複数のプランを提供することによって、多様なニーズを有するユーザーに対して柔軟なサービスを提供していますが、高齢者の方など一部のユーザーから見れば、あまりにも多すぎるプラン構成は、逆にその内容や特徴を見極める事ができず、結果としてどれを選べばいいのか分からないという結末に至ってしまうケースも。
一方、格安SIMを提供するMVNO各社では、通信速度や毎月支払う基本料金という2つの大きなポイントに着眼したプラン構成を提供しています。
このため、例えば料金をとにかく安く抑えてスマートフォンを維持利用したい!という方にとっては割安な料金で比較検討ができるほか、通信速度が速いタイプや1ヶ月当たりの通信容量でできるだけ大容量の物を選びたい!という方にはそういったプランを、それぞれのニーズに合わせて自由に選ぶことができる分かりやすさが魅力です。